ドラフトまとめ。1巡目で予想外のTaylor Ward指名。



 

2015年のドラフトが行われ、エンゼルスは1巡目指名、全体26番目で大学出身の捕手、Taylor Wardを、2巡目全体70番目で高校出身の外野手Jahmai Jonesを指名しました。

エンゼルスのスカウト部長リック・ウィルソンは、今回の指名に大変満足している様子。ですが、1巡目でWardを指名したことがサプライズとなり、物議を醸しました。

○1巡目26番 C Taylor Ward

Taylor Wardはフレスノ州大学出身の21歳、キャッチャー。右投右打。昨シーズンは .304/.413/.486 に7HR、42打点。最も評価されているのはプレート上での能力で、昨年盗塁阻止率56・6パーセント。大学通算では 打率.288、16HR、98打点、盗塁阻止率は60パーセント。今回のドラフト内でも屈指の強肩という評価もあります。

ではなぜWardの指名が物議をかもしているかというと、大多数の人間が、彼が1巡目で指名されると思っていなかったからです。
Wardの評価はMLB.COMで99位。評価としてはキャッチャーとしての技術、肩に将来性がある一方、上のレベルにいけば打撃では苦戦するだろう、というものです。

多くのスカウトが2巡目で指名されると予想しました。MLB.COMの評価ランクでは他にも Tyler Stephenson(18位、のちに全体11番目指名、キャッチャー全体1位でレッズへ)や Chris Betts(25位)、Lucas Herbert(69位)、Austin Rei(87位)がいて、エンゼルスが26番目でウォードを指名する直前の時点でも11番目指名のスティーブンソン以外は誰も指名されていませんでした。

私もドラフト前のプロスペクトに詳しくないので多くは語れませんが、これはMLB.COMや他球団のスカウト陣に比べて、エンゼルスがウォードに対して極めて高い評価をしていたということになります。スカウト部長の評価では「2018年あたりにレギュラーに定着でき、素晴らしいディフェンスに加え打率.255、12~15HRを打つ捕手に育つだろう」とのこと。

エンゼルスが1巡目にキャッチャーを指名したのはウォードが7人目。以前はハンク・コンガー (25th overall in 2006), ジェフ・マシス (33rd, ‘01)が記憶に新しく、他にも John Orton (25th, 1987), Erik Pappas (sixth, ‘84), Danny Godwin (first, ‘75) and Mike Nunn (ninth, ‘67)がいます。

打撃の評価が高くなく、ディフェンス能力に評価の重きをおかれた捕手を1巡目で指名したことで、エンゼルスのレジェンド捕手、ジェフ・マシスの再来じゃないかと言うファンもいるようです(笑)

とはいえ、マシスもドラフト時の評価は攻守両面に渡り評価が高かったよう。マイナーでは3割打っていましたし、彼がバットで役に立たないと嫌になるくらいわかりきったのはメジャーへ昇格してからでした。強肩が最大のウリであるウォードとは、またタイプは違います。

あくまで直観ですが、ウォードが悪い選手だとは思いません。少なくともメジャーに昇格して正捕手を狙える器ではあると思います。焦点は彼を2巡目ではなく1巡目で指名したこと、エンゼルス側がウォードを2巡目じゃなく1巡目で指名したいくらい気に入っていたということです。

1巡目でもっと打撃能力が高い打者をとってほしかった、と思うファンが多いのは当然でしょう。ちょうどウォードの前にドラフトされたD.J Stewartなんかはそのタイプだったので、エンゼルスはこの順位にふさわしいスチュワートあたりの打者をとるつもりだと思っていましたが、話を聞くに最初からウォードが欲しかったようです。
スカウト部長とは職種が違いますが、現GMのジェリー・ディポト氏がエンゼルスGMに就任して初めてやった仕事はリリーバーとの交換でジェイズにマシスを放出したことです。あれは評価できました。
マシスを優先的に放出し、打てなかったコンガーもアストロズにトレードしたGMなので、今回のウォード指名が吉と出ることを願いたいですね。

○2巡目70番 OF Jahmai Jones

ジャーマイ・ジョーンズは17歳の右の外野手。スピードと身体能力など、素質と将来性を評価されての指名です。
アフリカ系アメリカ人で家族はフットボールの家系らしく、父のAndre Jonesは1988年にノートルダムのチームでラインバッカー、兄も現在デトロイトライオンズでレシーバーをしています。それゆえ本人もフットボールで期待されていましたが、ドラフト前に自分が好きだったベースボールで残りの人生を歩むことを決めたとコメント。
高校ではセカンドと外野両方でプレーしていましたが、スピードを活かし外野手での指名になった模様。
MLB.COMの評価では「素早い送球にスムーズなスイング、コンタクト能力に優れ、ラインドライブを打つアプローチに長けた選手」。

○3巡目104番 RHP Grayson Long

グレイソン・ロングは100キロを超す巨漢の21歳右腕。
高校時代は9勝1敗、2・82ERA、95・2イニングで106奪三振、39四球。
速球のレンジは89マイル~93マイルで、チェンジアップのムーブも大きい。80マイル前半のスライダーは改善が必要とのこと。
2012年は全体39番目でマリナーズに指名されましたが、高校卒業後テキサスA&Mでプレイすることを理由にに辞退。

○4巡目135番 RF Brendon Sanger

南フロリダ出身の左の外野手、サンガーはジュニア時代にアメリカのプレーヤーオブザイヤーに選出された経験がある21歳。
大学時代の成績は61試合で.370/.492/.583、7HR、48打点。打撃フォームが独特らしいですが出塁率に優れたタイプで、大学では83三振に対し選んだ四球は112。
ゆくゆくはレフトへのシフトが予想され、メジャーでは第4の外野手になるだろうという評価。

○5巡目165番 RF Jared Foster

大学生の右の外野手、22歳。外野3ポジションはどこでも守れる。アメフトではクォーターバックとしてLSUでもプレイ。
大学時代の成績は.284/339/498、9HR、34打点、9盗塁。

○19巡目585番 Aaron Cox

Aaron Cox, drafted by #Angels, is brother of Mike Trout’s g/f & the 1st to wear his HS jersey: http://t.co/15gQmN8mfs pic.twitter.com/CYlHtWydHk— Alden Gonzalez (@Alden_Gonzalez) 2015, 6月 10
Millville高校出身の大学生右腕、20歳。
Roy Hallenbeckさんは17年間Millville高校で働いてきて、17年間で2人がメジャーリーグにドラフトされるのを見ました。
一人はマイク・トラウト。現在最高のメジャーリーグ選手の一人。もう一人はアーロン・コックス。トラウトのガールフレンドの弟です。
コックスは他にも1Bと外野での出場経験があります。
大学時代の成績は打撃.316/389/624、投手としては3・74ERA、65イニングで81奪三振15与四球。

○38巡目1155番 Jonah Dipoto

エンゼルスのGMジェリー・ディポトの息子。ニューポートハーバー高校の右腕。
1年半前にジョナーはエンゼルスを含む複数のスカウトチームでプレーしており、スカウト陣が彼のことを良く知っていました。はじめスカウト部長が指名をGMに打診した時、ジェリー・ディポトは「他のだれかの機会を(おそらく”不当に”という意味で)奪うことになるならやめてくれ」といったそうですが、エリアスカウトのRob Wilfongがジョナー・ディポトのことを気に入っていて、選手としての評価でドラフトしたいと願い出たため指名することになったんだそうです。

○雑感

去年までがマイナー完全枯渇状態で、とにかく投手を指名しまくっていましたが、今度は打者が足りないということで打者重視の指名になりました。そのなかで1巡目が打撃評価の高くないTaylor Ward指名ということで不満に思うファンはかなりいますね。今はカルロス・ペレスもいるし、どちらかといえば内野手(特にSS、2B)をとったほうがよかったんじゃないかと。指名したスカウト部長本人は「俺達には俺達の戦略がある。今に見てろ」的なことを言ってますが、ウォードの評価を見る限り2巡目でも取れたんじゃないの?と思います。

キャッチャーはむろん打撃成績だけでは語れませんし、守備能力に加え周りを見る冷静さ、客観性、リーダーシップも要求されると思います。すべてを総合的に判断した結果、Wardに行きついたということなのか、それはスカウト部長以外には知る由もありません。

まあ、これを言っちゃおしまいなところもありますが、上位で指名された選手全員が開花するわけではないのがドラフト。カルフーンは8巡目、トランボに至っては18巡目でした。MLB.COMの評価だけですべてを判断するよりは、ある程度の枠の中で自分たちがこれだ!と思った選手を指名する柔軟性や独創性は許されてしかるべきか・・そう思うと面白い指名ではありますが。
いずれにせよ、We’ll See、というところでしょうか。

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メジャーリーグLAA情報をまとめます。今年は大谷翔平、コザート、キンズラーも加入しポストシーズンへ行けるか。スポナビにて同ブログを運営していましたが閉鎖のため引っ越しました。仕事で海外出張が多いので更新頻度はまちまちですがよろしくです。好きな選手はWeaver(引退),Trout,Richards,Simmons,Calhoun