<エンジェルス選手紹介>
マーティン・マルドナド
ジェット・バンディとのトレードで昨年ブルワーズより移籍してきた、30歳のキャッチャーです。
マルドナドはプエルトリコのナグアボと呼ばれる小さな村で貧しい家庭に生まれ、幼少期の頃は球場へ行く車がなく母がレンタカーで送ってくれたこともあったそうです。
家庭はベースボールにゆかりがあり、マルドナドの最も尊敬する母親はソフトボール経験、兄弟は大学で野球をやり、父親はリト・グランデのアマチュア選手でした。
6年のメジャー生活を全てジョナサン・ルクロイのバックアップとして過ごしてきた彼は、今年キャリア初のメジャー正捕手をエンジェルスで務めています。実は、彼、ドラフトで指名されプロ生活を始めたのはエンジェルスでした。2年間のファーム生活ののち、ミルウォーキーへと移籍し、そこで控えの捕手として地位を確立することになります。
よくよく考えると同じチームで6年ずっとバックアップをやれるというのも、ある意味すごい気が。
控え時代から守備的捕手との評価でしたが、今季は2つの意味で予想を裏切る活躍をしています。
まず、長所であった守備力がALで有数の出来であること。
ここまでメジャーリーグのキャッチャーで4位の盗塁阻止率.405を記録しており、出場イニング数もヤディア・モリーナに次ぎ2位。フレーミング指標(参照)でもトップ5に食い込んでいてピッチャー陣からの信頼も厚いようです。
またブルワーズ時代通算打率.217、OPS.640であった打撃は、移籍後のエンジェルスで打率.245、OPS.726、11HRと大幅に改善され、2017年現在、攻守両面でバランスの取れたキャッチャーと言えるでしょう。
古巣に戻ってきたことについて、こう語ります。
「自分にとってのエンジェルスでの日々は、とっくに過ぎ去ってもう戻ることがないものだと思っていた。今僕が毎日メジャーリーグでプレーする機会を与えてくれたことに感謝しているし、ブルワーズが与えてくれたチャンスも素晴らしいものだった。本当は毎日プレーできたらとも思っていたけど、メジャーリーグでベストのキャッチャー(ルクロイ)の後ろでたくさんのことを教えてもらったよ。」
「正捕手の役割を与えられてから、試合ごとに気持ちを分けて考えることを学んだ。トラウトやプホルスのようなプロフェッショナルな選手と同じラインナップにいると、打撃のモチベーションも上がってくる。」
正確かつ鋭く走者を刺す肩を持ってマルドナドに”Machete”(中南米原住民が伐採用や武器に用いる長刀のなた)というニックネームをつけたのは彼の代理人。
プエルトリコ、Naguabo(最初読んだ時Naganoに見えた)村出身のメジャーリーガーは彼の他にはマリナーズのクローザー、エドウィン・ディアズもいて、マルドナドのリスペクトする選手の一人。
メジャーでのハードワークにも関わらず、ブルワーズ時代からオフシーズンには欠かさずプエルトリコのウィンターリーグに参加している理由については「(母国でオフにプレーすることが)ベースボールに対するパッションを高めてくれて、毎回学ぶこともある。メジャーへの準備をする前にモチベーションを高めるには最高の場所だから」
自身初の正捕手としてブレークしつつあるマルドナド。扇の要としてエンジェルス投手陣を引っ張っていく日々は始まったばかりです。
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